プレバト俳句から学ぶ「脱才能ナシ、凡人」法

プレバトの夏井いつき先生が、いつも口を酸っぱくして言われてることを、ちょっとまとめてみようと思う。
アドバイスの多くは才能ナシ、凡人査定から才能アリになるポイントなので、ちゃんと俳句をやっとる人には当たり前すぎる話かも知れないが。


2017年7月29日分から


火花散るときを乗り越え庭花火  石田えり

「ときを乗り越え」が三文小説みたいだと言う先生。キツい!
散文的だということだろう。

添削後
火花散らせしときもありけり庭花火

概念的になっとったのをはっきりと個人的な感慨にし、ありけりでスパっと切った。庭の1字が効いてきて直すと結構味わえる句になったと言われていた。

抽象的な表現はNG

それに、途中で切るか切らないか迷った時には、切った方が良い これは俺っちの個人的意見だ。


行かないで浴衣でしゃがむ想い人 長野美郷

行かないでと叫んでる人、浴衣でしゃがんでる人、想い人の関係が全くわからない。
自分だけで分かってちゃダメ
線香花火の輪の中に想い人がいる情景を描きたいなら、その場面を丁寧に切り取る練習をすること。

添削後
想い人あり手花火の輪の中に

これで位置関係がはっきりする。

細かい場面を少しずつ絵にしていく


静寂に火薬の香り夏終わる  北原里英

1位の句だけど、何となく釈然としないものを感じた句でもある。
上五の最後が「に」になると説明的・散文的になってしまうという先生の説明で、なるほどと納得できた。

添削後
夏終わる火薬の香る静寂しじまかな

「せいじゃく」→「しじま」のように言い換えが可能か考えてみる


牛売られ牛舎の隅の庭花火  東国原英夫

昇格試験にしてはツメが甘いという評価。「売られ」という状況の説明を映像化するのが俳句の基本
「売られ」という説明を「おらぬ」という描写にし、更に「牛舎の隅」と「庭」という場所を表示する言葉が複数あるので下五を「手花火す」に変える。更に「隅」ももったいない。隅に何があるかを考えるとそこには闇があるので

添削後
牛おらぬ牛舎の闇に手花火す

闇の1語で格段に深い句になっとるね。ここまでやれば昇格ということだが、そこまで追い込むのは大変だよ。


次に7月29日分から


初浴衣掬う金魚に袂ぬれ  松本明子

金魚と浴衣という夏の季語がダブっている。

例外もあるが、季語が複数入ってないか注意する

袂と浴衣も重複しているので、ここでは浴衣の方を削除するのが妥当。

添削後
金魚掬う水に袂を濡らしつつ

削除した5音で様々な濡れ具合の表現が可能になる。

言葉の重複を直し細やかな表現を心がける

字余りは上五に持ってくれば問題ない


綿菓子の甘い風吹く夏の夜 皆藤愛子

1位の句をより良くする添削。
風は普通吹くもんなのでこれは要らない。「よる」は「よ」でもいい。この浮いた3音で情景を追加できる。
例えば

添削後
夏の夜の帰路綿菓子の甘い風

必要ない言葉を削り細かい描写に役立てる


8月3日分から


浮袋引く父疲れ子ははしゃぐ  三戸なつめ

「疲れ」は想像できるので必要ない。

添削後
浮袋引く父はしゃぎ続ける子

続けるにしたので疲れるのがより強調された。

読者に想像させればその分の記述は省ける


2月9日分より


大宰府や梅の枝ゆらすホーホケキョ  的場浩司

大宰府の売店の隅っこで埃かぶっている昔の絵葉書そのままで、己の創意工夫は微塵もないと先生に酷評された。かわいそだけど、太宰府、梅、鶯という3点セットを並べだだけではそれもしょうがないね。

添削後
大宰府の飛べぬ飛梅ホーホケキョ

どうせやるなら破れかぶれでこれ位やって欲しいという先生からのアドバイス。

まずは発想を広げる

夏井先生は、詩を創造しようという意欲のある句には大体凡人以上を付けるね。それもない句には厳しい。


咲き誇れ梅も祈願も晴れ晴れと  上白石萌音

梅と祈願の咲く描写が上五と下五に分断されている
「も」で並列に並べるのは、余韻が生まれることもあるが、安易に見えることもあるので注意

添削後
晴れ晴れと咲けよ祈願も紅梅も

分断されていた咲く描写を1ヶ所にまとめた。
色の情報も入れると情景がより鮮明になる


2016年7月21日分より


湖に花火が照らす寂しさよ  大鶴義丹

添削後
湖に花火が灯す寂しさよ

こうすると、花火が消えることで寂しさが灯されていくような感じになり、70点以上の句になる。

動詞の選択で句が全く変わる


大輪の轟き焼けて夏が散る  ミッツ・マングローブ

作者が特待生昇格を果たした句。
音、匂い、動詞と、複合的な要素があるのが良い。
轟きを複合動詞と考えると動詞が多すぎる。作者の意図通り名詞とするなら語順を変えたほうが良い

添削後
轟きの大輪焼けて夏が散る

こうすると轟きがはっきり名詞となり、映像もしっかりしてくる。


こうしてまとめてみると、できた句を見返してみて、

無くてもよい言葉は極力削り、その削った分で五感に訴える情報を多く入れる

これがまず1番有効な上達への対策かと思える。

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