プレバトの俳句を見る 2016年 11/24, 12/1, 12/8分

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2016年12月現在、一番楽しみにしとるテレビが水曜の「ねほりんぱほりん」と木曜の「プレバト」だ。
ねほりんのことはいずれ書くとして、プレバトと言えば俳句。残念なことにプレバトを見始めたのは割と最近で、誠にもったいないことをしたと思うとる。
選者の夏井いつき先生が毒舌として名を馳せてるらしいが、断定口調ではあるにせよ俳句の批評自体は至って普通だと思う。安易に手加減しないのが気持ちいい。この夏井先生、20年位前にも俳句番組で見ていたような記憶があるがそれが何だったのか思い出せない。

最近のプレバトから心に残った句を上げてみよう。

お題「冬の新宿駅」(11/24)

同僚と熱燗残し急ぎ足 古閑美保(3位 凡人 60点)

一読、「熱燗残し」という語は中々出るもんじゃないと感心した。難を言えば説明的になっているところ。
先生もセンスを評価。下五がやはり説明的になってるということでそこがマイナス点。

夏井先生の添削  同僚と熱燗残し帰路の星

これなら中七で切れるのでより俳句的になるけど、帰路の星はちょっとむりやり感があるような気がしないでもない。しかし先生もきついね。これは才能ありでも良かったと思う。


テーブルに君の丸みのマスクかな 村上健志(1位 才能アリ 78点)

恋句は品が悪くなることが多くて難しいのにこれは素晴らしいと思った。中七で勝利確定。
先生もべた褒め。この人は本物との評価で即特待生決定。でもこれでも78点か。厳しいな。

お題「冬の足湯」(12/1)

寒に覚め窓には月白の蔵王 馬場典子(1位 才能あり 70点)

これは素人の句じゃないな。句またがりって普通は読まんよ。しかもこの場合、それによって蔵王のどっしり感が強調されてる。

夏井先生の添削  寒に覚む窓には月白の蔵王 

切れがあった方が良いのは当然だな。俳句は迷ったら切ると。


白息の旅湯にぶらりふくらはぎ ミッツ・マングローブ(4級からの昇格試験

テレビでは「旅」で行変えになってたが、「旅湯」は一語で「ぶらり」まで切れてないんじゃない?旅で切ると3段切れになってしまう。俳句は行変えで書くべきじゃないと思う。
これは下五が効いていて昇格だと思った。「ぶらり」が上と下の両方にかかってるし。
判定は昇格

夏井先生の添削  白息のぶらり旅湯のふくらはぎ

うーん。やっぱりこの方がリズムがいいかな。ぶらりのかかり方がはっきりするし。

お題「雪の列車」(12/8)

凍て空よ出稼ぎの父待つホーム 鳥越俊太郎(1位 才能アリ 72点)

「凍て空」が効いていると思った。ホームで凍えながら待ってる感じが篭っていて、この上五は動かない(代替できない)だろう。「よ」も効果的だ。
映画のワンシーンみたいという先生の評で添削も必要なし。


凍原を抜け来し名残列車着く 横尾渉(特待生1級からの昇格試験

「名残」の使い方に無理がある。俺っちなら「凍原の名残纏いて列車着く」とする。現状維持かな。
やはり現状維持だった。
映像が言葉にされていないという先生の批評

夏井先生の添削 片側は吹雪に凍る列車着く

そこまで変えるか?俺っちなら「片側は吹雪に凍り列車着く」にするかな。この「凍る」は連体形であって終止形ではないのだが、どうも断定的に聞こえて「着く」との重なりが気になる。気にしすぎかね。


蜜柑「け」とばっちゃが降りた無人駅 梅沢富美男(名人3段からの昇格試験

これは名句だな。「け」の方言の意味を知らなかったが、すぐに「食え」からの派生と類推でき、間然するところがない。文句なしに昇格だと思った。半月前に「南口きみ片待つや去年の冬」という駄句を作った人だけどこういった句も作れるんだ。落差の激しい人だ。
結果はやはり名人2段へ昇格。直しはなし。
俺っちなら「ばっちゃの降りる」としたかも知れない。今ちょうど降りようとするところか、降りてホームを歩いて行く後ろ姿を取るか、どっちかだな。

お題「紅葉のいろは坂」(11/3)

この回、うろ覚えなので番外として。

独り占め左の窓の紅葉谷 藤吉久美子(1位 才能アリ 70点)

俳句にもヘタウマというジャンルがある思うとる。この上五が正にそう。普通こういう説明的な言葉の使い方はしない。しかしここではそれが効果的になってる。俺っちとしては「ひとりじめ」か「ひとり占め」にして欲しかったな。左の窓ってのも助手席と分かってうまい使い方だ。
この句で、昔「蝉の殻見たらぜったい踏み潰す(文字は違うかも知れない)」という小学生(だったと思う)の句にひどく感銘を受けたのを思い出した。

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コメント

  1. コーチ より:

    このプレバトで夏井いつき先生を起用した人の功績は大きい!

    かつてのNHK・俳句番組を観ていて、夏井先生に心底傾倒していた人がこのテレビ局に居て、『絶対にイケる!』とごり押しした企画だと思う。

    元を辿れば、、この夏井先生を起用していたのはNHK。横取りされちゃったね。 笑。

    さて、このプレバトでちょっと前に出る度に高評価を得ていたのが。。

    あの杉山愛。

    尾瀬の水芭蕉で一句

    空の底 強き風恋ふ 水芭蕉

    先生の評価:力強い言葉の選び方がすばらしい。
    強い風が水芭蕉に恋うような感じがします。
    それに答えて、水芭蕉の形が風を受けているように感じます。
    空の底の表現ですが、標高2000mの尾瀬の独特な風景を見事に表現している。

    「隅田川の花火大会」で一句。

    “花火果て星のひとつを探しゆく”    

    豪華絢爛な写真というのは、かえって俳句を作るのが難しいお題でもあります。そんな中、「星のひとつを探しゆく」というロマンチックなフレーズをよくぞ見つけてきてくれました。花火が果ててしまった後の寂しさが、このフレーズにきちんとパッキングされています。音を立てて咲いていた花火は散ってゆき、再び空は星の光を放ち、静寂を取り戻していく光景が立ち上がってきますね。

    テニスプレーヤーの読む句か~?って勘ぐっちゃうくらい良い句ですよね。 笑

    プレバト、視聴率的にも凄いけど、俳句普及の功績も凄いよね。

    夏井先生が、スパッと言い切るから分りやすい。

  2. 永野やぎ より:

    やっぱり昔やっとったんはNHKじゃったかね。こういう番組は選者次第よね。「ケータイ大喜利」をあんまり見んようなったんも板尾創路の評がフラフラしとるので。その前の「写真で575」も評に納得がいかんかったんで見んかった。

    しかし、意外な人に才能があるよね。まさか杉山愛が。「空の底」は、引いてしまう位強い句じゃね。女子テニス選手は引退すると性格の強さが分かってくる人がおいいよね。「星のひとつ」は一転してきれいな句じゃし。

    プレバトが俳句普及になっとるのは、ほんと最近まで知らんかった。
    今度から自分もお題で詠もうかと思う。
    今回のだと

    会話絶え大雪山の車窓かな
    新雪に足跡を置く猫の駅
    雪熱し婚活列車動き出す

    とかね。

  3. コーチ より:

    さすが! どれも良い句ですね!